ワタリドリ

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海外就職で注意したい契約条件③労働契約と会社を取り巻く環境

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前回に引き続いて今回もについてご紹介していきます。このシリーズ最終回となる第三弾では、「労働契約と会社を取り巻く環境」という2つのトピックを見ていきたいと思います。

 筆者の周りには海外就職をしている人も多く、様々な場所で仲間が活躍している様子を見ることが何よりのエネルギーとなります。自分もその一人として有益な情報をアウトプットできるように執筆しているのがこの「20代の海外就職論!」なのですが、各国の仲間からの話によると、給与と福利厚生という2つの大きな観点以外にも海外で働くに当って注意したい点があるとのこと。その辺りを今回は紹介していきます。

 

「海外就職で注意したい契約条件」のトピックでは既に第一弾として給与、第二弾として福利厚生について書いていますので、この記事と合わせて参照してみてください。

 

海外就職において注意したいその他の面

本記事では給与と福利厚生以外に大切な面として2つのトピックを取り上げて以下で解説していきます。1つは契約期間と契約した立場、もう1つが会社を取り巻く環境です。

 

1 労働契約

まず一番大きな部分は正社員なのか、契約社員なのか、インターンレベルの採用なのか、といった労働上の立場についてです。もちろんしっかりと腰を据えて海外で働くことを念頭に置いた場合は正社員であることがどこの国であっても大切なことです。

 

正社員と一口に言っても、日本と海外では認識が違う場合があります。多くの場合正社員のことを「Regular employee」や「Full time employee」と呼び、これが略されて「フルタイム」という言葉になっています。フルタイムの労働者は企業に属しており、基本的には副業を認められないことがほとんどですが、国や企業によっては緩やかである場合もあるようです。近年ではインターネットを使って海外でも副業的にスモールビジネスを展開する方も増えてきているので、ばれなければいいや、という安易な考え方は避けてクリーンな立場でいたほうが身のためであると思います。

 

契約社員という立場は海外就職の場合非常に曖昧で、呼ばれ方は「Contract employee」と呼ばれますが、いわゆる「パート」と呼ばれる「Part time employee」や「Half time employee」という形もあります。特にこの2つの呼び方は企業によってばらばらで、企業が意味合いを持たせているだけである場合もあるので、英語の求人を読んだり英語の面接に望む段階で、正社員でない事によるデメリットを洗い出しておいたほうが懸命です。

 

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インターン「Internship」の場合は無給である代わりにほとんどの支出を企業がカバーしてくれ、一定期間経験を積ませてくれるということになります。セブでは語学学校の中で日本人のインターン生がたくさん働いていて、3食社宅つきのような環境で頑張っている人も少なくありません。自分が海外で働くにあたって、どんなことを目指しているのか、何を目標にしているのかを明確にすることで、絶対正社員という縛りは外れる場合もあります。特に学生の場合にはインターンは将来的に生きてくる経験になることが多いので、給与がもらえないという1点にこだわる必要がない場合もあります。

 

また、立場に関わらず契約期間は今後の人生設計を考えるに当たっても重要な項目です。1年契約の更新なのか、2年〜3年、無期限なのかなど、色々な形があります。企業には退職の意思を示した労働者を強制的に縛る権利はなく、契約途中であっても解除することは可能であり、これは海外であってもおなじことではあるのですが、最初に取り決めた契約期間を満了企業にとっても自分にとってももちろん良いことです。海外就職をする方の中には、特別なスキルや経験を得ることにとって次の目標へ進もうとしている方が多いため、企業側としても1年契約の更新を取る場合が最も多いようです。更に海外の企業では年俸制の給与体系を取る場合も多く、これに影響されて契約も単年となる場合があります。

かなりの覚悟や目的がある場合は最初から長期の期限つき契約を選ぶのも手ですが、海外で実際に働いてみるとイメージと違ったということは往々にしてあること、前述の内容からも筆者がおすすめしたい契約条件は1年契約か期限なし契約のどちらかです。

 

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2 関連企業

求人が出ている企業の名前を検索することやビジネスの内容を知ることによって、関係している企業を知ることができます。就職を目指す企業を中心として放射線状に広がる他社との関係性について、ビジネス上の協力関係と競合関係の両面から見ておくと入社前にイメージはつきやすいと思います。

 

関連企業には自社グループ企業、国内関連企業、海外関連企業、日本人の場合には関連日系企業などが挙げられ、海外就職を経て第三国への転職をする場合や日本に戻ってくる場合も含めて、関連企業に力がある方がよりよいと言えるでしょう。また、企業に力があるということは事業規模も大きいことが考えられ、より質の高い経験を得ることができる可能性が高まります。ただし小さな企業であっても急成長していたり、今ままでになかった市場の開拓を行う、いわゆる「ブルーオーシャン」を狙う企業の場合は、大きな企業にはない特殊な経験を得ることができたり、経営に近い場所で働ける可能性もありますので、自分の得たいスキルや成したい事業の内容を精査して関連企業を調べていくと良いと思います。

 

以前の記事では海外就職における「自分の希望条件」を、求人を探す前に固めておくことが必要であるという内容の記事も書いておりますので、合わせてご確認下さい。

 

 

 

3 英語レベル

海外で働くことを目指す方の多くが「働きながら英語の実践的なスキルを伸ばしていきたい」と考えているようです。海外で働くためには無論英語は必須ですが、仕事は自分の英語スキルを伸ばす場ではなく、あくまでビジネスを行う場であることを忘れてはならないと思います。

 

その上で考えておきたいのは、仕事上のどの場面で英語を必要とするのかということです。オフィス内でのやり取りが英語であることはほとんどですが、それ以外に仕事上のクライアント(お客さん)、関連企業の社員、そして住むことになる国の国民全体の英語レベルという3つの観点が考えられます。

 

仕事上のクライアントが日本人である場合には、日本人スタッフとして日本語で対応することが求められます。そのためお客さんには一切英語を使わない、むしろ英日翻訳をするぐらいの事が起こります。もし英語スキルを高めたいということが最大の目標であるならば、日本人を対象としたビジネスには好きでも就かないほうが良いことになります。

 

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次に関連企業の社員ですが、ビジネスを協力して行っていくにあたってはほとんど英語を使うことになりますが、それは現地国の中での話。日本人クライアントを主とする企業の場合は、日本にある関連企業と日本語で会議や電話をすることも少なくありません。

 

最後に日常生活での英語ですが、これは企業がコントロールできることではないのであくまでも自分の問題です。東南アジアでは訛りが強かったり、インドではイントネーションがあまりなかったりと、くせのある英語・ノンネイティブ圏で働くのか、あくまでもネイティブの米英を始めとした国で働くか、欧州など英語のレベルは比較的高いが独特の訛りがある準ノンネイティブ圏と言えるような場所を選ぶのか、求人と合わせて現地での生活もイメージしてみると良いと思います。

4 労働時間と国民性

今回最後に考えるのは労働時間と国民性です。まず労働時間ですが、「週休2日が普通」という頭をまず取り払うことが必要です。国によっては週休1日が法律で定めれれているケースや、逆に定時退社を守るようにというある意味でのプレッシャーがかかっている国もあります。どんな時でも海外就職をするなら「日本と比べる」ことをやめなければ、本当に自分にとって良い条件が見えてきません。

 

これに関係して国民性についても知識を深めることに価値があります。世界には本当に様々な国民性があり、勤勉で規則正しくハードに働くことを推奨する雰囲気のある日本のような国から、家族を第一として回っている国、昼寝推奨の国、バケーションはほぼ100%みんな取得する国などなど、調べるだけでも楽しいものです。更にお酒を飲む人が多い国や、ラテンの雰囲気がある国、ローカルな生活を守る国や地域など私生活にもオプションには事欠きません。自分がどんな世界に身を置きたいのかと考えると、自ずと適した国や場所が見つかってくると思います。

 

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今回まで3回の連載で「海外就職で注意したい契約条件」というトピックを扱ってきましたがいかがだったでしょうか?本記事の上部には第一弾、第二弾の記事もご紹介しておりますので、是非参考にしてみてください。海外に出て「ああ、こんなことなら日本で働いていればよかった!」とならないように、自分でできる対策は面倒がらずに取り組んでおきましょう!

 

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