前回はコラムとして観光庁のデータを切り口にして、いつくかの問題を取り上げながら20代の海外旅行の減少という問題について考えてみましたが、今回はその海外旅行の延長線上に海外就職があるか、というトピックです。良く聞かれるのは「海外旅行と海外就職は全く違う!」という話。実際のところ、どうなのでしょうか?
海外旅行は直近の記事でも書いていますが、とてもおもしろくて魅力的なものです。是非若いうちに、特に個人で旅行を組んで行ってみてほしいな!と筆者は考えています。筆者は特段セブが大好きというわけではないのですが、それでも日本よりは好きだと思います。ちなみに筆者が今まで訪れて一番好きになったのはスペイン北部の街「ジローナ」です。是非検索して見てみて下さい。
海外旅行が好きな人は、外国人と交流することが好きな人もいると思います。英語での会話が楽しかったり、異文化に触れている時間が興味深いなあと感じたり。さながら非日常を体験するワクワクする感情は、知っている人だけの特権です。他にも、旅行を重ねていく中でだんだんと1つの国や地域の文化が好きになる人もいます。そして実際に働きながら在住して、長い間好きな場所にいたい!と考えるようになるようです。
今回のトピック「海外旅行は海外就職に繋がるか?」は、こんなところから紐解いて見たいと思います。コラムとして前回書いている20代の海外旅行についての記事も参照してみてください。
海外旅行の延長に働くという選択肢はあるか
海外で働いてみたい!と考える理由は本当に千差万別で、どれが正しい・間違いということはありません。前述の通り海外旅行を重ねる中で、好きになった場所で働きたいと思うのは自然なことだと思います。それが日本国内であっても、十分に考えられることですよね。筆者は60代ぐらいになったとき、地方の川沿いで、ペットOKのペンションを建てたいなと思っています。
土地が好きになるということは、その場所の文化や歴史、人を好きになるということです。食べ物や気候、地理、街の景色など全てが気に入ってしまうこともあると思います。こういった意味で旅行は一種の出会いと呼べると筆者はいつも思っています。本当にその土地が好きになったら、住むことだって考えるかもしれません。しかしながら、その土地で収入が継続的に得られなければ住むことは難しくなります。好きな土地に長くいるためには、好きな土地でお金を生み出せなくてはいけません。これが、筆者の考える「海外旅行」→「海外就職」の1つの流れです。
こういった考えに至った時に思うのは、他にどんな海外就職の流れがあるのかということです。土地が好き、意外にどんなことがあるでしょうか。1つはその地域にある問題を解決したい強い思いがある場合です。この方法には大きく2つあり、1つは社会に貢献する性質の強い消費財メーカーで海外就職をして、現地に根ざした商材を現地で売ること。そしてもう1つは国際協力の分野で活動することです。前者の場合はBOPビジネス(Base of Pyramid)と呼ばれるものが多く、セブでもこの形で展開されているビジネスが非常に多くあります。以前筆者が現地のマガジンライターとして簡単に紹介した記事がありますので参照してみてください。
国際協力の分野は就職の方法が多岐にわたりますが、多くの場合は大学院を卒業している必要があるなど条件が厳しくなります。専門的な知識と高度な英語やフランス語が必要になる場合が多いので、簡単に転職ということにはなりません。これら2つの海外就職についてはまた別記事で書いてみたいと思います。
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海外旅行が海外就職に繋がるのは、海外が特別だからじゃない
結論として筆者は少なからず海外旅行の延長に海外就職という選択肢が生まれてくると考えています。前述の通り、それは何も海外だからというわけではなく、その場所のことが好きになったから、そこに住みたくなった。そしてその場所に貢献しながら生きていきたい!と思う強い気持ちが芽生えること、それがたまたま海外であっただけなのだと思います。
東北の大震災が起こり、多くの方が被災地へ赴き支援活動に従事しました。筆者は震災の際にボランティアに向かう大学生を取りまとめて現地とのパイプ役を務めた時期もあります。現地で支援活動を行った方の中には現地に移住し、定住し始めている人が若者を中心にいると聞きます。きっかけはどんな形でも考えられると思いますが、深く関わった土地には愛着が湧くものです。
海外のあの場所で自分は長く生活して、ビジネスをしたいんだ!という強い思いが拭えず、日本で働いていても海外のある土地が頭をよぎるのであれば、海外就職をしてその場所で生活することを1度真剣に考えても良いと思います。そして、現地で働くまでの様々な困難を知っても尚行きたいのであれば、行きましょう。人生はそんなに長くありません。20代の海外旅行→海外就職の流れを筆者は応援していますよ!
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