ワタリドリ

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(コラム)20代の日本人海外旅行者はなぜ増えないのか?

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海外旅行は非日常を経験できるとても楽しいものだと筆者は感じます。日本で得られない貴重な体験や、手に入りづらい特産のお土産などを格安で手に入れることができたり、現地で友達ができることだってありますよね。今回はそんな海外旅行について20代に絞って考えてみます。

 

筆者は大学在学中に海外旅行でフィリピンに4回、台湾に2回、トルコ、スペイン、モロッコに各1回訪れました。それぞれの国には魅力はたくさんあり、今でも忘れられない思い出になっています。海外旅行は日本国内では得られない体験を短期間でぎゅっと楽しめる非日常の瞬間の連続です。

魅力的な場所は世界中にたくさんあります。そして、1人でも友人とでも、その時間が忘れないものになります。モロッコの渡航についてはまとめサイトでも掲載しておりますので、渡航を検討している方は覗いてみてください。

 

matome.naver.jp

 

 

海外旅行が大好きだった筆者ですが、20代の海外旅行をする人の数は減っているという話は良く耳にしますよね。実際に調べてみると様々なデータが見つかりました。

 

日本人の海外旅行熱はこのところめっきり冷え込んでいる。東京入国管理局によると成田空港を利用して年末年始に海外旅行に出かけた日本人は33万9000人と前年に比べて18%減少した。(1月9日付の新聞各紙)
 これに限った話ではない。昨年は1964年の海外渡航自由化50年の節目の年で、今年はまさに新たな半世紀の始まりだが、日本人の海外旅行者は急減しているのだ。2013年は1743万人と前年に比べて5.5%のマイナス、2014年も1月から10月まで5月を除くとずっと前年同月比マイナスを続けており、1700万人を割ったのは確実だ。

 

〜中略〜

 

日本人の海外旅行者の推移を見てみよう。その数は1964年の海外渡航自由化以来一貫して増え続け、1980年には309万人だったのが1990年には1099万人と初めて1000万人を超え、1999年には1780万人に達した。右肩上がりのカーブはここまでで、以降はジグザグを描き、減少傾向を示している。


その大きな理由が20代の若者の海外旅行離れだ。20代の海外旅行者は1996年に約460万人とピークに達し、以降はずっと減り続け、2012年には約300万人にまで落ち込んでしまった。とりわけ減少が甚だしいのが若い男性だ。若い女性は最近ではむしろ持ち直しており、2013年、20~24歳の女性の28%が海外旅行を経験したが、20~24歳の男性で海外旅行を経験した割合は14%に過ぎない。

渋谷和宏 なぜ若い人たちは海外に行かなくなったのか 危機意識を募らせる国と旅行会社<ニュースはあなたをこう変える> - 幻冬舎plus

 

日本人が最も多く集中して海外旅行をする年末年始を見てみると、海外旅行者数は少しずつ減少傾向にあります。また1999年まで右肩上がりに増えてきた年間の海外旅行者数は現在、増えたり減ったりを繰り返す時期に入っています。観光庁が一般に公開している資料は2005年までのものしかありませんでしたが、以下で見てみましょう。

 

平成元年〜17年 20代の海外旅行者 男女別推計のデータをグラフにして考えてみる

 

観光庁が一般に公開しているデータを筆者が抜粋してグラフにしてみました。

 

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観光庁が出しているデータは2005年までしかありませんでしたが、それでもこの数字やグラフを見てわかるように、まず言えることは20代前半後半を問わず減少傾向にあるということです。(2005年までのデータであり、現在の数字は引用した記事のものがより直近のものになります。)1996年が最も20代の海外旅行者が多く、顕著に減ってきていることがわかります。

また筆者にとって意外だったのは、20代の中で最も海外旅行をしていないのは20代男性であることです。バックパッカーや世界一周などをする人たちが増えてきた昨今であっても、大きくグラフに変動を及ぼすものとは思えません。海外旅行は20代前半でも後半でも女性の方が多く、20代後半男性の海外旅行者数と、20代前半女性の海外旅行者数がほぼ同じです。

 

筆者は実際に海外旅行を扱う現地の旅行会社に勤務していますが、その中でも「女子旅」にフォーカスしたサイトにアクセスが伸びる一方で「男子旅」という項目は見たことがありません。統計資料を見ることでその理由もよくわかります。観光庁さんには最新のデータも公表してほしいと思います。(笑)

 

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なぜ20代の海外旅者は増えないか

2015年現在、日本は円高になっています。$1=120円前後で為替市場が推移している中で海外旅行へ行くことは、これまでより出費が増えることになります。例えば$100のお土産が$1=100円の時代であれば10,000円でしたが、今は12,000円です。ホテル、現地の交通費などで毎回この差が生まれてくるのは大きなことですね。特に20代はそれ以上の年代に比べて絶対的にお金を持っていません。ですから、厳しい時にわざわざ海外に行くのではなく、国内で過ごすことを選択する人も増えてくることは体感として理解できます。

 

若い人の絶対数が減っているということも今後統計に反映されてくるでしょう。日本の人口が減り、若者自体の数もどんどんと減っている今、それと真反対の動きをするように20代の海外旅行客が増えるというのは考えにくいことです。

 

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また、格安のイメージが強かった東南アジアは経済発展が著しく、それに伴って各通貨と円の関係が変化しています。例えばフィリピンペソの場合、筆者が2010年に訪れた際にはおおよそ、1万円=5,500ペソ程度でした。それが今や、1万円は3,700ペソの価値しかありません。それだけフィリピンペソが強くなった、それだけフィリピンの経済が強くなったということです。たったの5年で、です。

 

更にこの経済成長に影響されるようにフィリピン国内の物価も上がっています。つまり、日本人がフィリピンに旅行に来て過ごす場合、両替してもペソが以前より手にはいらない上に、物価が上がりペソを多く払わなければいけないというダブルパンチに陥ります。そういった傾向から、東南アジアの格安のイメージはだんだんと薄れているように感じます。20代でお金がなく、更に通貨としての円の価値も今下がってきてしまっていることで、20代の海外旅行は更に厳しくなってきているのではないでしょうか。

 

旅行を取り巻く環境は大きく変化

海外旅行に対して逆風が吹く中で、旅行会社は様々な工夫を凝らして旅行客の獲得を目指しています。厳しい環境になっているからこそ、サービスの質も上がり、新しい発想も生まれてくるのだと思います。これは海外旅行客にとっては良いことです。

 

例えば昔は旅行を計画する際には、駅前などで無料でもらえる海外旅行のパンフレットをみんなで見て考えるのがごく一般的だったと思います。旅行会社のカウンターに訪れ、旅行会社の人と実際に話して色々なプランを考えて決めて、支払いをするという流れでした。

 

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それが今や、インターネット上での手続きだけで旅行は全て組むことができます。航空券と海外のホテルがセットになっている、いわゆる「パッケージツアー」と呼ばれるものはもちろん予約できますし、航空券・ホテルなどを個人で手配するためのサイトはかなりの数があります。航空券は航空会社の公式サイトだけでなく、価格比較ができるサイトもたくさんありますし、ホテルももちろん比較検証できます。個人旅行手配をインターネットで行えるエクスペディアなどは、世界的にも有名な企業になっています。

 

更に現地のツアー予約も事前に日本で、インターネットを通して行うことができます。以前はインターネット経由と言ってもメールなどのやり取りが必須でしたが、今はその状態を超えて、指定の欄に情報を書き込むだけで予約が完了するシステムもあります。海外旅行の際にはこういったサイトでクレジットカードで事前に支払いを済ませますから、計画段階方から支払いまで人と関わらないで完了できるのです。

 

例えばこのサイト「VELTRA」では、世界中の現地旅行会社と提携を結ぶことによって、現在70ヶ国以上のツアーをこのサイトで予約することができます。決済はクレジットカードが基本となり、支払いが完了すると発行されるバウチャーをスマートフォンで保存して現地で見せれば、海外で支払いをすることなくツアーに参加できるのです。

 

 

インターネットを使った海外旅行ビジネスはどんどんと便利になっていて、これは20代の私たちにとってはとても良いことです。FacebookやTwitterが日常的に使われるようになった今では、インターネットを利用することができない、という人は少数派で、特に20代にはその傾向は顕著です。どんどんとデジタルに強い日本人が増えてくれば年代と技術の発展がリンクしてきます。若者の数が減っても、それをしっかりと囲い込んでいける仕組みが海外旅行を扱うビジネス界隈では求められていると思います。

 

20代の海外旅行を「応援している人」もいる

筆者の周りでは大学の卒業旅行で海外に2回も3回も行ったり、その回数を抑えて長期で色々周遊してみたりと、海外旅行が大好きな人がたくさんいます。元々自分もその中の1人でしたし、友人がFacebookでアップしている知らない国の写真を見ることがとても楽しいです。

 

ただ、海外旅行を初めてするのが卒業旅行という人も少なくない他、特に1人旅をやってみたいという20代の方々は、経験談や情報をたくさん集めて何とか上手く海外旅行を成功させようとしています。とても良いことだと思います。そんな人たちを応援したい!と自身が海外に出て現地から発信を続けている人を今回はご紹介します。

 

www.tabidatiouenmassan.com

 

このブログは「旅立ち応援隊」と名付けられていて、実際に東南アジアで旅行会社勤務を経た上で、自分の経験をこれから海外旅行へ行く人に活かしてほしいという思いで連載されています。実は彼は筆者の友人で、先月セブの僕の家に居候していたのですが、彼なりの思いを色々と聞くことができました。一度サイトを覗いてみると良いかと思います。若いうちに海外に出よ!という風潮がある一方で、社会全体のトレンドはそうそう大きく変わってきません。そんな中でも海外勤務をしたい!という思いがある方は、まず海外旅行に挑戦してみるのも1つの経験になると思います。

 

今回はコラムとして「20代の海外旅行者は増えないのか?」というトピックで考えてみました。また新たな情報や面白いデータがあればご紹介していきたいと思います!

 

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