2010年からセブ島にNGOとして関わり、2013年からは在住・勤務の場としてきたセブですが、ついに2015年10月にフィリピンの首都マニラに引っ越しました。引き続きフィリピン国内での在住は継続していきますが、セブとマニラの違いについて体感したことをまとめてみたいと思います。
2010年から筆者はNGO職員としてセブ島マボロ地区に入り、川沿いの貧困地域にて参加型開発という手法で支援活動を行ってきました。今回はNGOに関する記事ではありませんが、支援の手法について関心のある方は以下の資料がわかりやすいと思います。
タイにおける参加型開発と国際協力の課題
https://www.accu.or.jp/jp/accunews/news355/355_01.pdf
2010年からの活動ではFESTというNGOでの活動でしたが、
2013年からは会社に属してセブに在住することになりました。土地勘のある場所でしたから、今年の10月にマニラへ引っ越すまでは「セブは最高!自分にあった場所!」と感じていたわけですが、いざ移ってみるとマニラの方が好きな自分に気づいたりします。わがままな話ですね。
さて、海外在住が長くなる中で「外国の中での引っ越し」というものを初めて経験しました。セブからマニラは飛行機でたったの1時間、日本で言えば東京−大阪間ぐらいなものですが、沢山の発見がありました。
1 海外で引っ越すのはビザ等の関係で結構大変
日本人が日本国内で引っ越す際には住民票を移すことになります。これで税金や選挙権など、様々な公共機能が引き継がれていくわけですが、海外に在住しているとそれが異なる形で手続きをすることになります。例えば住所については労働ビザの発行の際に記載したものになったりするので、引っ越して登録地域の管轄外に動くとなると、新しく手続きが発生する場合があります。
フィリピンの場合は島が多いこともあってか、島ごとや町ごとという括りの他に地域管轄という考え方があります。観光省などは国内に7つのエリアを持っており、それぞれの観光地は管轄毎に対応していたりします。労働ビザについても同じくこのような管轄下に置かれている場合があるので、簡単に引っ越したい!で移っていくことは外国人にとって難しいことかもしれません。
色々な理由で海外在住している方がいらっしゃると思いますが、海外就職・転職を特に20代という若い時期に考えている方は「会社の雰囲気」「業務の内容」など当然チェックする部分の他に「会社のある街」「移住先国の一般的な法的ルール」についても学んでおくとミスマッチを最小限に抑えることができると思います。
ただし、先日見たイベントの中に「○○国への移住、転職の前に食を味わってみよう!」などというイベントが日本で散発的に開催されているようです。不安な部分を取り除けることは悪いことではないと思いますが、移住した後の生活の全てを想定内として処理できるはずがないことは事前に認識しておいたほうが良いです。探り探り現地に住んでから自分なりの生活を確立していくものですし、食に関しても今は世界中に日本食が広がっている他、毎日現地の食事を摂るわけではないわけですから、心配しすぎるのも少し問題かもしれませんね。
2 リゾートと首都では全く違う国と思える
特に筆者の今回の引っ越しの場合世界的なリゾート地セブから、東南アジアの経済中心地の1つマニラへ移ったわけなので雰囲気は全く違います。
セブはこんな感じでしたが・・・
マニラはこうです。
のんびりビーチで過ごしていた人間が高層ビルの森に投げ込まれたといったところ、勝手にですが、地方から東京に出てきた方が受ける衝撃がわかった気がしました。マニラには泳げるビーチもなく、渋滞も度々発生する場所。東京にも匹敵するような雰囲気と、建築ラッシュのコンドミニアムやビジネス利用のビル群!まさに驚きの連続です。
この2枚の写真をご覧頂いただけでも「違う国のようだ」という意味がわかって頂けるのではないかと思いますが、人の温かさなどソフトな面でもやや違いを感じることがあります。もっと大きな国、例えばアメリカやロシア、中国、ブラジルなどの国内で引っ越しをすると更に大きな衝撃を感じるのだろうなと思います。
3 国の中でももちろん物価は異なる
マニラの方が住みやすい!というのはあくまでも筆者の感じ方ですが、それは「お金を払えば手に入らないものはない」という街の発展度合いによるものだと思います。セブはほとんど全てのものがマニラより安くなっています。いわば地方と首都の価格差です。マニラは何事も高いですが、何でもあります。地方から東京に出てきて自分にフィットせずUターン就職する方もいれば、東京が気に入ってほとんど地元に帰らなくなる人もいると思います。どこの国でもこういったことは起こるのだなあと改めて思いました。
「まだ東京で消耗してるの?」のイケハヤさんのブログもありますが、逆に地方のセブから出てくると「マニラで消耗」している気にはなりません。どちらもいい部分がある一方、仕事をする!という気持ちになるのは環境面で考えるとやはりマニラ。時間があれば2つの都市を訪れてその違いを探してみてください。
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