海外で働く人は一般的に見て困難があるように見えるかもしれませんが、もちろん日本でも同じような困難は起こりえます。それに加えて「海外だからこそ発生する苦労」にどう対処していくのか、そしてその価値について考えてみましょう。
特に20代で海外で働くことに注目した場合、大変なのは「当たり前」と言えます。なぜなら社会人生活自体が駆け出しで仕事の質や判断すら安定しない時期なのに、更に母国とは異なる環境で勤務・生活していかなければなならないからです。日本で働くことにプラスして苦労があります。
粘れる人と粘れない人が仕事では良く話題になりますが、個人的にこれがどういう意味合いかを考えた時にまず浮かぶのは「妥協をしないこと」です。どんなに困難な仕事であっても、その場の100%を出しているという自信が持てていれば必ず成長に結びつきます。仮に自分の100%が上司からすれば30%に満たない程度の質だったとしても、次回からは40%、50%とその割合を上げていくことができます。しかし自分が常に80%であればスタートも上司にしてみれば10%にも満たない質の仕事になってしまい、更に伸びも鈍化して15%、20%・・・と緩やかな成長に留まってしまうわけです。
こうやって簡単な理論を文章で説明しても、それを実際に行うことは困難であることを筆者よく知っています。私たちは機械ではなく、感情を持ち呼吸をしている「生き物」であるからこそ、精神的にも身体的にもコンディションが存在します。そのために毎回素晴らしい成果が上げられる保証はどこにもありません。しかしながら、コンディションが良い時に100%妥協なく仕事を進めていく事ができなければ、バッドコンディションでは更にその割合が下がります。自分が今可能な最高のパフォーマンス、それは仕事の質とスピードの両面で、を繰り返しながら螺旋階段上に成長していく必要があります。
そんな中で海外での勤務を20代で選択した場合、仕事に対して自分が妥協しなくとも不可抗力で思ったように仕事が進まないことがあります。周りの現地スタッフと自分の考え方に大きな隔たりがあったり、質とスピードの感覚が合わなかったり、更には私生活も日本のように常に安定しているわけではありません。仕事+外部環境(業務中と業務外)という組み合わせの中で成長することは簡単なことではないわけです。
それでもこのブログで20代の海外就職・転職、第二新卒での海外勤務などを詳しくご紹介しているのは、海外で働くことによるアドバンテージが確かに存在するからです。
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そのアドバンテージもまた、仕事における粘りの強化だと筆者は考えています。簡単に言えば筋肉トレーニングで小さな負荷をかける運動を続けても一定のレベルまでしか筋力を増やせないのに対して、若干オーバーな負荷をかけた運動を行うことによって筋繊維が壊れ、超回復によって許容できる力の大きさを増やすことができることと同じです。20代で困難な仕事に直面しても日本であれば友達もたくさんいて、周りの人に連絡して相談したり、実際に会って飲みに行ったり、家族に話を持ちかけたり、色々と手軽な解決方法があり、更に相談を持ちかけた人も大抵同じ経験をしているので相談する成果があります。ですからなんとか粘れると思いますし、「妥協をしない」というイメージを保つことは不可能ではないと思います。これに対して海外に出れば日本から離れて友人とはほぼ一切関わりが切れます。海外電話も高くインターネット通話では通信制限もあり、実際に合うことはほぼ不可能。そして何より共有できない悩みを抱えても相談できる場所が非常に限られるため、自己解決能力が必須になってきます。
仮に全く同じ仕事を日本と海外で行ったとしても、周りの環境が違うことで粘り切れず妥協してしまいがちなのが海外勤務の特に初期段階かと思います。しかし、そこで一旦上手く立ち上がれれば「超回復」することができ、多少の困難には打ち勝つことができるようになってきます。日本では考えられないような問題に直面してもそれを柔軟に受け入れて、対処していけるようになっていくものです。
20代はまだまだ人生のスタート地点に近いわけですから、困難なことが多いのは当たり前のこと。自分が苦しい時は皆苦しい時でしょう。そんな時期に仕事における筋力をしっかりと海外でつけて、将来的に日本国内で活躍していく人を筆者は何人も知っています。海外で働くことはトータルで「刺激が多い」ことですから、少しでも興味があれば是非トライしてみてください。
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【今日の本棚】
「粘り」「筋トレ」「妥協」
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