ワタリドリ

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【トルコ/シリア地震】NGO13年/トルコ在住経験のある日本人おすすめの募金先と見解

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初めてこのブログを見る方へ:筆者の本記事に関連する経歴

NGO関連:2010年に学生有志団体としてNGOを設立。主にフィリピンでの小規模コミュニティーへの支援活動に従事し、2013年に現地移住。同2013年にフィリピンに超大型台風が直撃し、米国系NGOの現地オペレーターとして現地入りし緊急支援。その後、2017年まで現地在住。NGOは2023年春にコロナ後の海外実地支援再開予定。

トルコ関連:2017年から2019年にトルコ・イスタンブールに在住。現地法人で勤務し、2年間基本的にローカルな生活を送り、現地移動手段は徒歩/電車/バイク。ごく一般的な現地の生活経験あり。


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日本でも報道されているトルコ/シリアで発生した地震の被害に対する募金先ですが、日系の緊急支援を行うNGO等以外のチョイスとして、トルコで既に現地に入っているトルコ系の現地団体をご紹介します。募金先に迷っている方がいらっしゃればご検討ください。


団体名:Ahbap
https://ahbap.org/
クレジットカードでの募金が可能です。
デスクトップ版であれば画像の赤枠の部分から額と情報を入力して送金を数分で完了できます。



代表者:Haluk Levent
→著名なミュージシャンで、社会貢献活動にトルコ国内で最も力を入れている1人です。

団体Twitter:https://twitter.com/ahbap
→現地での支援活動、輸送が開始されている様子を確認できます。

現地の団体への送金になるので短時間で現地に貢献できる点が緊急支援におけるメリットです。ぜひご検討ください。

尚、自分は団体と一切の関連がなく、利害関係もありません。


※以下、NGOを13年やっている立場かつ、トルコ現地に在住していた経験がある割と珍しい日本人、としての見解ですので、関心がある方のみご確認ください。

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・現地は最高気温でも-5度になる地域があるため、緊急支援の性質としては食料や医療物資の他に防寒対策用の衣類が必要なケースとなっています。

・地域特性として3つのプレートが重なり合う場所であり、大型の余震の後更に余震が発生する可能性が否定できないことから、被害が段階的に拡大する場合があります。例えば台風から来る高波等の被害の緊急支援とは性質が異なるため、現時点で十分な支援の大きさを推定することが難しいケースです。

・現地の建築様式は大都市の中心部を除いては石造が多く、耐震性を考慮した建物がイスタンブールの中心部を除いて非常に少なくなっています。ちなみに、仮に自分が現地に住んでいた頃のアパートであれば倒壊していたと思います。
またシリアの建築様式は石造かつ土を固めたような資材を使うことがあり、倒壊時にはそれが水のように細かく崩れるため巻き込まれると救助がより困難になる場合があります。

住居としている建築物の耐震性、平たく言って頑丈さは経済力によって一定の差がついてしまいます。従って倒壊しやすい建物での生活以外選択肢になかった方々が甚大な被害を受けると、貧富の差が更に開いてくることにもなります。

ただし国によって施工会社の中抜き等が酷く、高額投資して建築された建物でもいわゆる欠陥住宅になっているケースもあります。報道されている映像の中にもこれに関連性がありそうな(映像だけで断定は不可能であるものの)、ある特定の区画だけが倒壊している様子がいくつか見受けられました。

・日本のように水道から水が飲める国ではないため生命維持の観点で緊急支援の物資の中では水も必要になります。食料が少ない場合水分接種だけではなくミネラルや塩分が同時に必要になるため、スポーツドリンクのようなものを何回かに分けて摂取することが1つの方法になります。液体は重量があるため大量の物資輸送は陸路か海路が緊急支援では多く、今回の地域は海に面していない地域が多いため必然的に陸路が優先選択肢となりますが、上記のように建築物の倒壊が多い場合、陸路が封鎖されてしまうケースがあり輸送が困難になります。今回の募金先を紹介したのは、すでに大型トラックを現地に入れられていることから、ルートが見えていると判断していることもあります。

・国境付近では一部報道の通り現地の勢力構図が影響してくることがあります。日本ではなかなかイメージができないとことだとは思いますが、残念ながら目の前の人命救助よりも政治上のパワーバランスが優先されることがあるため、今回紹介している団体のようにいかなる宗教や政治団体がバックグラウンドになっていない、パワーとネームバリューを持ち合わせた団体の方が緊急支援にはしがらみがなく有利に働くことが多いです。
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書こうと思えば色々出てくるところではありますが、ニュースでは得られないような観点が1つでもありましたら幸いです。

また現地の状況は適宜変化するものであり、上記の見解においても現地に入って記載しているものではありませんので、内容について様々なご意見もあるかとは思いますが内容について議論を行うことは想定しておりません。質問がある場合、答えられる範囲で見解をお伝えすることは可能です。